【実施報告】2020年度 秋田市協働サポート交付金事業『気候変動対策×主権者教育』プロジェクト~みんなで描く、にじいろ未来~

2020年度 秋田市協働サポート交付金事業
『気候変動対策×主権者教育』プロジェクト~みんなで描く、にじいろ未来~

■学習のねらい
①環境視点の主権者教育を通じて、社会参画に必要な主体性や判断力を養い、多様な地域課題に対する意識を高め、解決に向け行動できる人材を育成する。
②環境マニフェスト作成や模擬選挙の体験を通じて、選挙や政治に関心を持たせ、社会の一員として自ら考え投票することの意義を理解する。

■「SDGs(持続可能な開発目標)」達成への寄与
本事業は、地球環境保全と社会構築をメインテーマとしているため、世界が取り組む行動計画「SDGs(持続可能な開発目標)」のゴール4「質の高い教育をみんなに」とゴール13「気候変動に具体的な対策を」の達成へ寄与し得る。

■実施内容
【実施校】
秋田県立秋田中央高等学校(SSH文系2年生102名)
秋田市立秋田商業高等学校(エコロジカルビジネス班27名)
※2018年度、2019年度実施校として協力いただいた秋田クラーク高等学院は、今年度これまでの2ヵ年で作成した実行計画を実現させるための年とした。

【プログラムの流れ】
(1)講義「地球温暖化の原因や気候変動について」1コマ
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書を中心とした科学的根拠に基づく現状と、秋田市における地球温暖化の影響及び対策について解説
講師:秋田県立能代高等学校 東海林拓郎先生

周りと話し合う生徒たち(秋田中央高等学校)

世界の平均気温って何度上昇してると思う?(秋田商業高等学校)

(2)グループワーク「環境マニフェストの作成」 中央高校2コマ、商業高校3コマ
ワーク①気候変動対策メニューを考え、まとめる
自分の高校でできる気候変動対策のメニューを考え、最終的にワークシートを用いて項目別(節電・省エネ、登下校、発電など)に整理する

《中央高校》
❶4~6人のグループに分かれ、学校で行うことができる気候変動対策について意見をまとめた。
・個人で考えた対策を付箋へ書き出す

・ブレインストーミングによりクリエイティブな発想を促す

❷全22グループ(A~V)を5ブロックに分け、ブロックごとに環境マニフェストを作成した。

・ブロック内で気候変動対策を発表し合い、環境マニフェストとしてまとめ。ブック代表を決定

・模擬選挙投票前の主張演説に向け、発表者を選定

どんなマニフェストにしようか真剣な眼差し

《商業高校》
❶4グループに分かれ仮政党とし、学校で行うことができる気候変動対策について、意見を出し合った。

・個人で考えた対策を付箋に書き出す

・ブレインストーミングで、対策項目ごとにグルーピングを行う

❷各仮政党ごとに環境マニフェストを作成し、主張演説とディベートを行った。

・党名、党代表を決め政策に学校の特色を追加し、気候変動対策をまとめた

・主張演説を行い、他政党からの質問を受け付けた

・各政党は受けた質問の回答を考え、再度自分たちの政策の見直しや加筆修正し、環境マニフェストを完成させた

・クラス全体へ向け、質問の回答をすると共に、修正点などを発表した。

この政策はこっちのグループだよな!

(3)模擬投票 中央高校1コマ、商業高校1コマ
選挙管理委員会事務局による投票に関わる説明の後、模擬投票を行う

《中央高校》
・各ブロックの代表党首による主張演説を行った

・自分たちの学校で取り組みたい環境マニフェストを選び、投票した

私たちは〇〇という政策を掲げました!

 

《商業高校》
・事前に環境マニフェスト一覧を仮有権者となる1学年(235人)に配布し、学校で取り組みたいマニフェストを選び、投票した

初めての選挙体験にドキドキ

 

(4)グループワーク「実行計画の作成」 中央高校1コマ、商業高校1コマ
選ばれた模擬政党の環境マニフェストを具体化する。

《中央高校》
・当選した環境マニフェストの政策のうち、7項目を全22グループへ振り分け2030年までの実行計画を作成した

・同項目の実行計画を立てたグループ同士で共有した後、さらに全体へ向け発表を行った

僕たちはこんな計画を立てました!

 

《商業高校》
・当選した模擬政党を発表し、政策を全グループへ振り分け、2030年までの実行計画を作成した

・作成した実行計画を全体で発表し共有した

学校がよくなるために真剣に考えました

 

 

◆アンケート結果(抜粋)◆

・対策を考えることも難しいが、それを実行に移すとなるとより難しいと思った。
・グループワークが多く、色々な意見を出し合うことができ楽しかった。
・様々な学習を進める中で、自分がすぐ始められて、継続できることをたくさん見つけることができた。
・実際に学校で実施してもらえるかもしれないと思うとすごくやる気が出て、楽しく活動できた。
・現実的に考えると、なかなか難しいこともあった。今回やったように、日常でも、考えたり、他人事にしないくせをつけていきたい。
・気候変動に対しての関心はあったが、あまり深くは分からなかったし、自分が何かをするなどは考えなかった。しかし、全体を通して気候変動への意識や自覚が変わったように思う。
・未来のことを予想したり、実現するための具体的なことを考えるのがとても楽しかった。
・今までかなり漠然としていた「こんな活動をしたい」が、「この地域で、何がどうだから、何を期待して何をどうするのか」という風に、詳細に考えるようになった。
・前から環境問題について意識はしていたが、具体的に何ができるのかなどを考えていなかった。そこから何ができるのかを学び、チームで案を出し合い考えたのは楽しかった

~3ヵ年で実現された実行計画~
秋田クラーク高等学院では、主権者教育を行う上で授業での取り組みが現実とリンクしているという事が大事と考え、2018年度・2019年度の2年間で作成した実行計画のうち、実際に実現した政策があります。

①冬期期間のズボン着用の許可(2018年度「冬用に女子制服ズボンを作る」という実行計画ではあったが、形式を変えて実現した)

②配布物のweb化(2019年度実行計画)

今後は、「エコバッグの制作(2019年度実行計画)」や「校内蛍光灯のLED化(2019年度実行計画)の実現にも取り組まれるそうです。

 

3年間の事業において実施校として協力くださった皆様、誠にありがとうございました。

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